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小説を書こう!
第54回
 比喩について 
B 暗喩

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★★★
  ボォン ジョルノ、こんにちわ。クニークルスです。
「こんにちわ。みなさん。ムーシコスです」
『こんにちわ。呟き尾形です』
「今回は、暗喩についてだったよね」
『まず、前にも言いましたが比喩とは、あることを、他の物や
事にたとえる表現技法のことです。
 その中でも直喩とは、●●のような、という言い方が基本的
な使い方をするのですが、暗喩というのは、言葉の上では、た
とえの形式をとらない比喩であるということになります』
「えっと・・・どういうこと?」
 そうだね、”…の如し”とか、”…のようだ”とかの
言葉を使わない比喩のことだね。
「たとえば?」
『そうですね、”雪の肌”とか、”バラの微笑”などがあり
ますかね。
 この暗喩は、読者に簡潔で強い印象を与える表現技法である
ということがいえます』
 実際、昔から私人や小説家は、暗喩が好きでね。
 独創性があり、かつ、誰にでも痛烈な印象を与える暗喩を
考えるのに苦心したみたいだよ。
「どうして?」
『暗喩は、簡潔な表現であるからこそ、読み手に通じない独り
よがりな文章になる危険性があるということです。
 ”君はバラだ”というのは、”君はバラのように美しい”
という暗喩は成り立ちますが、”君は空だ”といわれても、
空のように青いのか、空のように広いのか、空のように高い
のかが判断に迷い、強い印象どころではなく、むしろ読者を
混乱させる危険性があるのです』
 それと、暗喩の難しさは、暗喩は、語句を省略すればする
ほどインパクトをあたえるのさ。
「え?
 むしろ簡単にしているんじゃない?」
『そうもいかないのです。
 たとえば、
 ・彼は太陽のようにまぶしい男だ。
 ・彼は太陽のようだ。
 ・彼は太陽だ。
 ・太陽だ!
 このように、省略すればするほどインパクトを与えます。
 しかし、省略すればするほど、意味が伝わらなくなる
可能性はぬぐいきれないのです』
「あ、たしかになんかむずかしいね」
 うん。だからさ、暗喩が自己完結しないようにしなくちゃ
いけないんだよね。
 そのためには、AをBにたとえるとき、AとBが暗黙の内
に類似していることが前提になるわけさ。
「でも、それじゃぁ、決まり文句っぽくならない?
 だれでも連想できるようにするものなら、誰でも考え付く
ものじゃなくちゃいけないんでしょ?」
『そうですね。
 それも、暗喩の難しさだといえるでしょう。
 ただ、幸い、小説における暗喩は、小説の中の物語で、事前
に共通のイメージを作る事ができます』
「あ、そうか、小説を部分的に読む事なんてないから、
小説の物語の中で共通のイメージを作るようにしておくことが
できる。
 ってことだね」
 そういう手法もあるし、暗喩によって、たとえるものとたとえ
られるものの類似性を、新たに発見するという方法も、もちろん
あるんだよ。
 ムーシコス君。
 言葉は生き物。新鮮な暗喩を探しにレッツゴー。
『そうですね。
 さて、今回は、暗喩を紹介しました。
 次回は声喩について述べたいと思います』
「聞いたことないね」
 それは次回のお楽しみってことで、それじゃぁ、アルデベルチ










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