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魔女っ娘めぐたんお掃除日記 


 今日はお休みだ!朝からご機嫌なめぐたんなのだぁ(*^0^*)
どこに遊びに行こうかなぁ。と、お母さんだ。
「あ、めぐたん。今日はお部屋の掃除をしなさいね」
「えぇ〜!!一ヶ月前にやったばかりだよぉ」
「何を言ってるの!お部屋がゴミ箱みたいになっているでしょ。
 お部屋の片づけが済むまでは、遊びに行ってはいけません!!」
ががーん(゜ロ゜)!!!せ、せっかくのお休みなのぃ(;w;)q
すごすごとお部屋に戻る、めぐたんなのでした。

落ち込みモードに突入したまま、ベットに腰掛けて、お母さんの言葉
を思い出す。お母さんは「お部屋が片付くまでは、遊びに行ってはい
けません」って言った。
ティッシュが一枚ふわふわと舞っている。
せっかく今日はお外に遊びに行こうと思っていたのに。。。
ティッシュがもう一枚ふわふわと舞っている。
お外は晴れていて、とっても気持ちのよい陽気なのに。。。
ティッシュがさらに一枚ふわふわと舞っている。
こんなよいお天気の日に、お休みなのに遊びにいけないなんて。。。
ティッシュが次々とふわふわ舞っている。
お部屋が片付くまで遊びに行けないなんてぇ、、、ん?あれれ??
と、言うことは、、、なぁーんだ、お部屋さえ片付けば遊びにいける
んだぁ。(^▽^)/
魔女っ娘めぐたんは立ち上がり、片手を天高く突き上げる。
「めぐたん、ふっかーっつ!!ヾ(  ̄▽)ゞオホホホホ」
一気に、やる気モードに突入した魔女っ娘めぐたんなのでした。

そしてティッシュがこれでもかとふわふわと舞っている。
え、なに、これ?ティッシュが宙にまってる。
やっと気が付いためぐたん。
1枚、2枚、3枚、4枚・・・って、数えている場合じゃない。
ティッシュが自分で舞うわけもないし・・・あ、ティッシュの箱を抱
えて、部屋中を飛び回りながら、ティッシュを取り出している子ども
がいるぞ。
「君はだれ?」
「妖精のヤッタン」
「なにしているの」
「ちらかしてんの」
「なんで?」
「楽しいから」
「ここ、めぐたんのお部屋なんだけどぉ」
「うん、知ってるよ。めぐたんのお部屋はとってもボク好みなんだよ
 ボクは散らかすのが好きなんだ。散らかったお部屋を散らかすのが
 大好きなんだ。
 綺麗な部屋を散らかすのは忍びないけど、散らかっている部屋を散
 らかすのはぜーんぜん気にならないの。だって、もともと散らかっ
 ているんだもの」
ムム、説得力がある。でも、ヤッタンはきっと、口車の魔法をかけた
んだ。口車の魔法は口達者じゃないと使えなので、めぐたんにはむり
なのだ。やるな。ヤッタン(ー_☆)キラリン
だったら、整理整頓の魔法だ!!!

整理整頓の魔法は、成功するまでやたらと時間がかかるのだ
┐('〜`;)┌
でも、魔法が成功すれば部屋が綺麗になった上に、広くなるのだ。
「あ、片付け始めてる」とヤッタン。
「なにを言ってるの。整理整頓の魔法よ」
あ、ヤッタンがまた口車の魔法をかけようとしている。口車の魔法の
対抗策は、魔法をかけた相手の話に耳を傾けないことなのだ。
とにかく今は、整理整頓の魔法に集中するのだ(◎−◎)
「えっと、本は本棚に、お洋服はタンスに、ゴミはゴミ箱に・・・テ
 ィッシュも・・・あれれ? ティッシュはぜんぶ片付けたはずなの
 にティッシュがふえてるぅ(ToT)」
 なんでー??。
 あ、ティッシュが宙にまってる。1枚、2枚、3枚、4枚・・・。
 って、数えている場合じゃない。
「ヤッタン! \('_').まてい!」
「散らかしの魔法をかけてるのさ」
「もう、こうなったら実力行使! 頭痛の魔法なのだ」
 ズツウノマホー!( ・_・)ノ ミ★
「いて、なぐったな。親父にも殴られたことが無いのに!」
 ん? どっかで聞いたことがあるような・・・。それに
そんなにたたいてないよぉ(;w;)q
 あれれ、ヤッタンが仰向けになってお腹をみせてるぞ。
 あ、服従の魔法だ。妖精が相手に降参する時に使う魔法なのだ。
「じゃぁ、ヤッタン。お片づけの手伝いをして」
「ツーン ( ̄^ ̄)」
「何よ、ヤッタン。服従したんじゃないの?」
「そうだよ」
「じゃ、言うこと聞いてよ」
「何を言っていってるの。服従してやったんだよ。
 わざわざ服従してやっているのに、なんで言うことを聞かなきゃい
 けないんだよ」
「ええ!な、なんで?ふくじゅうって、、あ、また口車の魔法だ!」
「ははは、それより、整理整頓の魔法の途中でしょ。続けたら?
 自分の魔法には責任を持つ。それに自分の部屋でしょ」
ヴヴ、痛いところを・・・。でも、邪魔者はいなくなったのだ。よ〜
し、整理整頓の魔法をつづけるぞぅ。
「ぷ・・・クククッ」
 なに? ヤッタンが笑ってる。あ、ヤッタンがめぐたんの本を読ん
でるぅ。
「あ、めぐたん。この本面白いよ」
ヤッタンが読んでいるのは、めぐたんのお気に入りの本なのだ。
ちょっと情けない主人公ムーシコスの冒険の物語、”ムーシコスのバ
イオリン
”。
ティッシュが一枚ふわふわと舞っている。
小鳥さんがけなげな”ナイチンゲールの恋”。
ティッシュがもう一枚ふわふわと舞っている。
人間と妖魔の戦いがカッコいい”鬼達の挽歌”。
ティッシュがさらに一枚ふわふわと舞っている。
主人公のシンがはっきりしないのようね。でもやることやるからいい
けど”ガ●ダム0092”。
ティッシュが次々とふわふわ舞っている。
なんたって、魔女っ娘めぐたんが最高なのよねぇの呟き尾形の短編集
呟き尾形のショートショート劇場”。
あー、おもしろかった。(^O^)♪
あれ、ヤッタン。どこに行ったの?
そうだ、ヤッタンは時間がたつと、妖精のお家に帰るんだった。
あれれ?お部屋が暗いぞぅ・・・。って、こんな時間(゜ロ゜)!!!
「ただいまぁ〜」
あ、お母さんの声・・・ま、まずい。
「めぐたん。お部屋のお片づけは終わった?」
「あ、あの、その・・・」
「片付いてないじゃない。前より散らかして! 今日からこのお部屋
が綺麗になるまでおやつもデザートも抜きよ。もちろん、ご褒美に買
ってきた、プリンもよ!!!」
「そ、そんなぁ・・・」

 呟き尾形 2001年9月30日作

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