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呟き尾形の哲学講座
第2回 観察の視点について

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登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人物の台詞です。

★★★
『こんにちわ。呟き尾形です』
 さて、今回は、前回の続き。
 物が燃えると言うことは、2つの解答が合ったよね。その2つのうち、ど
っちなんだろうか?
 1・燃えることによって、物がなくなってしまうこと。
 2・燃焼という化学変化によって、形を変えるということ。
 この2つの違いについての解説だったね。
『そうですね。1と2の分類で違いはある程度分かると思いますが、物の質
量はなくなるのか? それともなくならないか? という違いがあります』
「質量保存の法則が成立するかどうかだね」
『そのとおりです。!
 1は成立しませんね。物の質量はなくなってしまうから。
 2はまさしく質量保存の法則が基礎になっています』
《ふーん、でも、それがどう哲学と関係があるの?》
『はは、せっかちですね。めぐたん。
 それはですね、自然哲学というのが、ものを見る視点によって答えが変わ
ってくるということなんです』
「うーん、それって、木が燃えているのを肉眼だけで見ていれば、燃えカス
以外のものが無くなったという見方と、燃えカス以外のものは空気中に逃
げていったという見方の違い?」
『そうですね。見方を変えれば、どちらも間違っているとはいえませんよね。
 たとえ、質量は変わらないという事実はあっても、目の前で確認できるの
は燃えカスだけです。でしたら、無くなったも同然です。
 もっとも、どちらが厳密な意味で理論的に正しいかといえば、どちらとも
正しいともいえるし、正しいとはいえませんがね』
《だから、どうして、哲学と関係があるの?》
 せっかちだなぁ。めぐたんは。
 セニョール呟き尾形は、哲学には段階がある。その段階は視点によって違
うんだよ。って言っているんだ。
 たとえば、ねころがって天井ばかりしか見れない赤ん坊の視点と、ハイハ
イができる赤ん坊の視点は違うし、発見できることも違うでしょ。
 そして、それぞれの真実も異なってくるんだ。
『そうですね。疑問へ対する解答は、得られる情報で変わってきます。
 自然哲学は疑問に思ったことの解答を得るために、肉眼での観察から始ま
り、見た通りのことを考えることかは始まります。
 質量保存の法則がある。という前提で考えれば、2は常識だけど、いくら
肉眼で観察しても、ものがなくなったようにしか見えませんよね。
 自然哲学から言わせれば、1が正解となります』
《ふーん。じゃぁ、その哲学の種類によって答えが変わってくるの?》
『その通り。
 そして、自然哲学は、万物の根源は何か? と考え始めました』
「万物の根源?」
 世界は、ここにあるよね。ということは、何か材料があるはずだ。世界は
いったい、何を材料にしているんだろう?
 つまり、世界の材料が何? ってこと。
《で、なんだったの?》
『タレスという、記録が残っている上では最古の哲学者は水だと言いました。
 まぁ、詳しくは次回に解説しましょう。
 さて、これを読んでいる皆さん。なにか質問や疑問はありませんでしたか?
 あるいは、なにか意見があるときは、メールで連絡をいただければ、講座の
中で取り込んでいきたいと思っています』

 それじゃ、アリベデルチ 

★★★

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